本分
風の噂で聞いたことだが、
「国際基準」を謳う国内唯一のカイロプラクティックスクールが
新規の募集を完全に停止したそうだ。
世界の潮流に乗り、
日本でもカイロプラクティックを法制化しようと
国際基準の学校をつくりカイロプラクターを多数輩出してきたが、
法制化も叶わず教育機関はその役目を終えようとしている。
2021年に予定されていたWFC世界大会の日本開催も
新型コロナウイルスのパンデミックによって叶わず、
日本カイロプラクティック界の先細りは必至。
国から「法制化を目指すならまず業界が纏まりなさい」と言われているにも関わらず、
それすらも様々な理由で叶いそうにない。
一体、ここまで散々な日本カイロプラクティック界に希望は残されているのだろうか?
法制化という意味では1995年に、
ほぼ法制化間近まで進んだことがあるという話は聞いたことがあるが、結果は頓挫。
今までカイロプラクティック業界を纏めようと
一生懸命になった先輩方がいらっしゃったにも関わらず、
自身も含め無関心なカイロプラクターや
自分のカイロプラクティック以外は認めないというカイロプラクター、
法制化すると本来の形からずれてしまうという論点のカイロプラクターや
既得権益によって反対する者も居たかもしれない。
ここまででお察しの通り、
つまりはカイロプラクターである我々がそれぞれに大切にしているものが違うからこそ、
纏まるわけがないのだ。
ある意味で玉石混合の日本カイロプラクティック界が、
いや、日本にいる各々のカイロプラクターが、
今一度何を一番大切にしなければいけないのかを考え直すタイミングが来たのかもしれない。
それは自分の団体か、自分のテクニックか、自分のスクールか、
自分の既得権益か、自分と同じ思想を持つ仲間か。
一体あなたが整体師ではなく、治療家でもなく、
「カイロプラクター」と名乗る意義はどこにあるのか。
カイロプラクターとして、カイロプラクティックを背負う者として、
何を大切にしなければいけないのか。
それは、「脊椎サブラクセーションのアジャストメント」に他ならない。
カイロプラクティックとは脊椎サブラクセーションのアジャストメントであり、
カイロプラクターの仕事は脊椎サブラクセーションのアジャストメントを提供することだ。
テクニックは何でも良い、思想も宗教も、団体も卒業した学校も、経歴も資格も、
そんなものを大切にしてきた投影が
今のカイロプラクティック界であることを学ばなければいけない。
カイロプラクターとして大切にしなければいけないもの、
カイロプラクターと名乗るからにはこだわらなければいけないもの、
それこそがカイロプラクターの本分であり、
混沌とした日本のカイロプラクティック界を纏める核となるべきことだ。
もう、否定し合うのはやめましょう。
たった一つの本分を大切にして、それぞれがそれぞれのやり方で、
多くの人々や脊椎動物達のいのちに貢献していきましょう。
あなたが魅了されたカイロプラクティックに報いる為にも。